
どうも、自分は聞こえていないらしい。
しかも、どんどんひどくなっている気がする。
もしかして、APDかもしれない。
でも、親に言っても、「気のせいじゃない?」とか言われそうで、なかなか言い出せない。
診断を受けたいけど…。
自分の「聞こえにくさ」をうまく説明できない。
相手がAPDを知らない。
せっかく勇気を出して相談しても、ちゃんと話を聞いてもらえない。
否定されるのは、とてもつらい。
それでも、一人では受診できないから、どうにか伝えたい。
今回は、そんな「自分の状態を親に説明したい10代の方」に向けて書きました。
もちろん、他の年代の方にも読んで頂けたら嬉しいです。
分かってほしいのに、分かってもらえない。
聞こえない自分を責めて、一人で耐えているあなたへ。
自分の状態や抱えている生きづらさを少しずつ伝えて、適切にAPDの診断を受けに行きましょう。
APDは、正しい理解と対応がとても大切です。
今より、少しでも聞こえやすい環境へ。
1.そもそもAPDと難聴の違い
人の「音を聞く」という行為は、「音」という波動が体の外部から耳で受け、それを脳がどんな音か分析して認識しています。つまり、「音」そのものが聞こえないのが難聴で、「音」は聞こえているけど、脳の処理がうまくいかなくて、「音の内容」が分からない、「聞き取れない」のがAPDであると言えます。
実際に、その体験をされていない方には、文章で読んでも、ピンとこないと思います。
そこで、次では、youtubeでAPDの疑似体験ができるものを一部ご紹介します。文章では伝わりにくいものが分かりやすく表現されています。
2.APDの聞こえ方。
APDの聞こえ方を表現しているyoutubeがこちら。
1.笑歩さんの「LiDとAPD聞き取り困難生活」の「これが実際の聞こえ方」https://www.youtube.com/watch?v=NIBvoqpU-us&t=218s
2.パラチャンネル/障害者雇用

最近は、このように疑似体験できる動画も増えてきていて、とても助かります。
他にも色々ありますので、ご覧いただくと、APDの聞こえ方が少しイメージしやすくなるかもしれません。
3.APDの診断は、一般耳鼻咽喉科では無理ということを知ってほしい。ちゃんと、診断されるために適切な病院での受診をおすすめ!
APDの診断を受けるためには、対応している医療機関を受診する必要があります。
APDの診断は、一般の耳鼻咽喉科では行われていないことが多いです。
また、耳鼻咽喉科の医師であっても、APDをご存じない場合があります。
そのため、APDに詳しくない医師を受診すると、「気のせい」と受け取られてしまう可能性もあります。
そうなると、親御さんも「やはりそうだった」と感じてしまい、あなたの話を十分に聞いてもらえなくなることも考えられます。
そこで、次のサイトを参考にされてはいかがでしょうか。
これは、「AMED研究、『当事者ニーズに基づいた聴覚情報処置障害診断と支援の手引きの開発』の公式ホームページ」です。
「もしかしたら、APDかもしれない」と感じたときに、まず目を通しておきたい内容がまとめられています。
APD/LiDについての説明に加え、受診できる医療機関の情報、診断後にできる工夫、補助機器の紹介なども掲載されています。
サイト内の「当事者の方へ」→「じゃあ、どうしよう」と進むと、
APDの診断に対応している医療機関の一覧ページを見ることができます。
4.APDは、治らない。でも診断を受けて欲しい理由。
上記サイトにも記載されていますが、現時点では、APDは「治らない」とされています。
トレーニングや補助機器の利用、生活の工夫などによって、聞こえにくさが改善することはありますが、根本的に治るわけではありません。
「それなら、受診する意味はないのでは?」
そう思うのは、自然なことだと思います。
けれど、それは違います。
確かに、受診には時間もお金もかかります。
そして、診断を受けたとしても、治療によって完治するものではありません。
それでも、診断を受けるかどうかで、その後の人生は大きく変わります。
学校の聴力検査では「異常なし」とされていても、
人の話し声や校内放送が聞き取りにくいことがあります。
しかし、音自体は聞こえているため、本人は「自分は聞こえている」と認識し、
聞き取れないのは「集中力が足りないからだ」と考えてしまいがちです。
電話の聞き取りミスで叱られる。
友人の会話が分からず、関係がぎくしゃくする。
授業の内容が理解できず、注意される。
そうした出来事が重なると、「自分が悪いのだ」と思い込んでしまうことがあります。
そして、周囲も同じように受け取ってしまうことがあります。
その結果、的外れな努力を続けてしまい、疲弊していく――。
さらにストレスが重なり、聞き取りにくさが悪化することもあります。
努力しているのに、うまくいかない。
自分でも、周囲からも責められる。
そうした悪循環の中で、つらさを抱え込んでしまうこともあります。
自分の状態を理解し、言葉にできる年齢であっても、
「APDかもしれない」という状態は、その苦しさを一人で抱えている状況です。
そして、それは大人になっても続く可能性があります。
だからこそ、APDの診断を受けられる環境があるのであれば、受診を検討する価値があります。
「よく分からないけれど、聞こえない」
それが気のせいなのか、実際に起きていることなのか。
自分の問題なのか、そうではないのか。
それを知ることは、当事者にとって大きな意味を持ちます。
APDであれば、適切な工夫や対処法があります。
努力の方向も、正しく定めることができます。
もしAPDでなかったとしても、その状態に合った対応を考えることができます。
どちらであっても、「分からないまま一人で耐え続ける状態」から抜け出すための、大切な一歩になるはずです。
5.まとめ
そもそも、APDの当事者は、自分が「聞き取れていない」と気づきにくい傾向があります。
学校などの聴力検査では音が聞こえるため、「異常なし」=「聞こえている」と判断されやすく、本人も「自分は聞こえている」と認識してしまうためです。
しかし、「聞こえている」はずなのに、言われたことができなかったり、話についていけなかったりすることがあります。
その場合でも、「聞こえているはずだから、自分の勘違いか、集中していなかったのだろう」と受け止めてしまいがちです。
その結果、できないことを何とかしようと努力を重ね、疲弊していくことがあります。
本人が「自分はAPDかもしれない」と気づくのは、そうした経験を重ねた後であることが少なくありません。
それでもなお、できるようになろうと模索する中で、「APD」という言葉にたどり着くのです。
今、これを読んでくださっているあなたも、同じような経験をされているのではないでしょうか。
あなたは「できない人」ではありません。
むしろ、これまで何とかしようと努力してきた、頑張り屋の方だと思います。
あなたの聞こえにくさの原因が分かり、少しでも過ごしやすくなることを願っています。

